お菓子百科クラブ

 私たち人間は、およそ8000年くらい前から、他の動物の「乳」を利用するようになったといわれています。赤ちゃん牛や赤ちゃん羊は育つまで「乳」しか飲みません。つまり、「乳」を唯一の栄養源として育つわけです。「乳」には成長に必要な栄養が消化吸収しやすい形で含まれているんですね。


 牛乳といえば「カルシウムの供給源」と思う方も多いのでは?女性には妊娠や閉経があるので骨粗しょう症が心配ですし、VOL.8「太っちょくん、がりがりさん、さようなら」でもふれたように子どもの骨折も増えています。カルシウムで骨を丈夫にしておきたいもの。

 カルシウムは栄養素の中でも吸収されにくい成分ですが、牛乳のカルシウムは含有量が多いだけでなく、吸収率も抜群なんですって。それは、牛乳に含まれるカゼインと呼ばれるタンパク質から生じる「CPP(カゼインホスポペプチド、舌を噛みそうですね)」や乳糖、ビタミンDなどが、腸内でカルシウムを無駄なく吸収するために作用しているからです。

 もちろん、カルシウムだけ摂っていても、運動しないと骨は強くなりません。運動不足の宇宙飛行士を調べてみたら骨量が減っていたという話もあります。最近の子は骨が折れやすいといわれていますので、『牛乳のカルシウム+適度な運動』。お子さんが丈夫に育つには、これが大切ですよ!!

 牛乳のたんぱく質は、体内では合成できない9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。しかも、病原体に対して防衛機能を発揮してくれる「免疫グロブリン」や「ラクトフェリン」と呼ばれるたんぱく質、そしてオリゴ糖まで含まれています。

 
「眠れないときは牛乳がいい」とよく聞きますが、これは、牛乳タンパク質に含まれる「トリプトファン」に弱い催眠作用があるため。眠れないときは、寝る前の軽い運動と一杯の牛乳がおすすめです。

脂肪は、運動や体温の素となる大切なエネルギー源。牛乳の脂肪は、ほかの脂肪に比べて消化酵素の作用を受けやすく、消化吸収がよいんだそうです。

 
コレステロールを気にする方もいらっしゃるかもしれませんが、実験によると、牛乳600ccを12週間飲み続けてもコレステロール値に変化はなかったそうです。それに、悪者扱いされがちですが、コレステロールには「細胞膜の材料となる」「筋肉をつくるホルモンの原料となる」「栄養分の分解や吸収をする胆汁酸のもととなる」など大切な役割があるんですよ。正常なコレステロール値は、総コレステロールで160〜199mg/dl。HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロールです)は41〜70mg/dl。健康的に過ごすためには、少なすぎず多すぎず、コレステロールの量を適正の範囲内に保つことが重要なんです。

 牛乳の栄養成分中でいちばん多いのが炭水化物。そのほとんどが乳糖で、小腸にある乳糖分解酵素(ラクターゼ)によって分解・吸収され、エネルギー源となります。腸管でのカルシウムや鉄の吸収を助けたり、おなかの調子をととのえるビフィズス菌を増やす働きもあるんですって。つまり、お通じに効果的ということです。

 
逆に、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人がいますが、これは乳糖分解酵素の働きが弱いから。特に男性に多いですよね。このような人は、少しずつ始めてだんだん量を増やしていくと飲めるようになる場合もあるそうです。カフェオレにして楽しんだり、お菓子に利用するのもよいですね。



 牛乳のうれしいところは、温めても栄養成分が変わらないこと。それにお料理の味をマイルドにしてくれるだけで、牛乳自身の味がジャマをしません。だから、いろいろなお料理や飲み物に幅広く使われているのです。牛乳が苦手なお子さんにはココアに入れたり、ジュースと混ぜたり。カレーやおみそ汁に加えると味もまろやかになるんですよ。ムリをしないで、少しずつ牛乳を食事に取り入れてくださいね。



 
こんなにたくさんの栄養を含んだ牛乳ですが、牛乳も『完全栄養食品』ではありません。「牛乳を飲んでいるから安心」ということはないので、ご注意くださいね。

 
幼児期にすすめられる牛乳の量は1日400ccです。「うちの子は牛乳をたくさん飲むから」と安心していると、牛乳の多飲で太り過ぎや少食になっている場合があるんですって。牛乳を飲んでいるからと油断していると、かえって偏った栄養しか摂れません。

 牛乳も大切だけど、ほかの食事も大切。そんな気持ちを忘れずにいてくださいね。そして、できればビタミンCも一緒に摂れるようにしてあげるとモアベター。牛乳は多くのビタミンを含んでいますが、ビタミンC源としては期待できませんので、果物やブロッコリーなどと一緒に摂るのが理想です。

 
おやつには、プルプルの食感がうれしい「ミルクゼリー」を用意しました。旬の果物を添えてビタミンCも上手に補給しながら召し上がってくださいね。